後遺症の症状で損害請求がこんなに違う!後遺障害等級認定とは
2014.11.04更新
交通事故の後遺症が残った場合、十分な損害賠償金を得るためには、後遺障害として等級認定を受けておく必要があります。 交通事故の被害者が後遺障害の認定を受ける際には、できるだけ高い等級を獲得することが望ましいでしょう。 ここでは、後遺障害等級認定の申請の仕方や、認定されることで起こり得る事柄を紹介します。
交通事故で後遺症が残ったら
交通事故でケガをした場合、後遺症が残ることがあります。後遺症とは、それ以上治療しても回復が期待できない症状のことです。 交通事故の被害に遭って、万が一後遺症が残ってしまったら、被害者は加害者に賠償金を払ってもらう権利があります。 しかし、後遺症の内容は人それぞれなので、損害賠償金の算出というのは非常に難しいというのが実情です。 そのため、後遺症については、後遺障害として1~14級の等級に分け、それぞれの等級に該当する賠償金の額の基準が決められています。交通事故の後遺症について保険金を受け取るためには、後遺障害の等級認定を受けていることが前提になります。
後遺障害の等級認定を受けるメリット
後遺障害として認定されると、後遺症に対する損害賠償金も支払ってもらえます。 後遺障害が認定されれば、入院慰謝料のほかに後遺障害に対する慰謝料の賠償も受けることができます。後遺障害慰謝料は等級に応じて額が決まっており、等級認定がされれば少なくとも自賠責保険の基準で定められた金額慰謝料は確保できることになります。
また、後遺障害に認定されれば、逸失利益に対する賠償も受けられます。逸失利益というのは、後遺障害がなかったら得られたはずの利益です。交通事故によりそれまでと同じように働けなくなってしまった場合などは、将来の収入が減った分を賠償してもらえるということになります。
後遺障害の認定を受けられるかどうかでトータルの損害賠償額が大きく変わってきますから、少しでも多く損害賠償金を受けるには、後遺障害認定を受けることが非常に大切です。 なお、後遺障害の等級は1つ違えば賠償額も大きく変わりますから、できるだけ高い等級認定を受けることが、将来の生活において望ましいでしょう。
後遺障害等級認定の申請方法
後遺障害の等級認定は、損害保険料率算出機構という団体が行っており、自賠責保険会社を通じて申請を行います。等級認定申請を行うときには、事前認定という方法で行う場合と、被害者請求という方法で行う場合があります。
事前認定とは、加害者が加入している任意保険会社を通じて申請を行う方法です。交通事故の保険金は、任意保険会社に自賠責保険分も合わせて一括払いしてもらうケースが多くなっていますが、こうした流れから、任意保険会社が等級認定の申請も行ってくれることが多いのです。 被害者が少しでも多くの賠償金を得るためには、なるべく高い等級認定を受けなければなりません。しかし、加害者の加入している任意保険会社が被害者に有利になるように積極的に動いてくれることは期待できませんから、事前認定の方法では、被害者に不利な等級認定を受けてしまう可能性があります。
被害者請求というのは、被害者が直接、損害保険料率算出機構に等級認定の申請を行う方法です。自分で必要書類等を揃える手間はかかりますが、高い等級認定が得られる可能性が高くなります。また、被害者請求をすれば、等級認定後に等級に応じた自賠責保険の限度額を、任意保険会社との示談を待たずに支払ってもらえます。
後遺障害の等級認定を申請したけれど、認定の結果に納得がいかないということも起こり得るでしょう。こういった場合には、異議申立て(再請求)することもできます。 異議申立ては何度でもできますが、結果を覆すためには、MRIやCTの画像診断結果といった、十分な資料を用意する必要があります。