自ら所有するパワーショベルに下敷きになった被害者に保険は適用されるのか?
2014.05.06更新
回答:保険は適用される。
被害者が自賠法3条の「他人」に該当するかについて判断した判例(最高裁平成7年9月28日判決)
◆ 事案
- 東雲日本橋株式会社(仮企業名)の関連会社の従業員総合 一郎(仮名)が東雲日本橋株式会社の指示で大型自動車の荷台に法律 次郎(仮名)所有のパワーショベルを積んで運行した。
- 目的地路上で大型自動車の荷台からパワーショベルを降ろそうとしたところ、傾斜した荷台からパワーショベルが滑り落ち転落・横転し、大型自動車の運転席に乗り込んでいた法律 次郎が下敷きになり死亡した。
- 法律 次郎の妻 法律 花子(仮名)を含む相続人らが、総合 一郎(民法709条)、東雲日本橋株式会社(自賠法3条)、東雲日本橋株式会社の代表者東雲 太郎(仮名)(民法715条)に対して、法律 次郎の死亡による損害賠償請求訴訟を提起した。
- 加害車の自賠責保険の保険者新常盤 正男(仮名)は、被害者 法律 次郎が死亡したのは、法律 次郎が加害車の荷台から被害車を運転して積卸しをするときに安全を無謀な運転を行った結果生じたものであり、また、法律 次郎は加害車の運行補助車であるから、自賠法3条の「他人」には該当しないと主張した。
◆ 判旨
建設機械等の運搬を目的として改造がなされた大型自動車からパワーショベルを積み降ろすにあたってパワーショベルの運転者 法律 次郎の協力が必要であったとしても、その責任自体は大型自動車の運転者 総合 一郎にある。
法律 次郎がその責任を分担すべきものと認められない場合には、法律 次郎は、自賠法3条の「他人」にあたる。原審のした判断は正当として是認できる。